「一般事務からステップアップしたい」「企画に関わる仕事がしたいけれど、完全な企画職はハードルが高そう」と感じていませんか。企画事務という職種は、そんな悩みを持つ方にとってちょうどよい入口になり得るポジションです。
ただ、いざ転職を考えると「企画事務って具体的に何をする仕事なの?」「一般事務と何が違うの?」という疑問が出てくるはずです。この記事では、新卒・第二新卒採用の人事担当として3社を渡り歩き、企画事務の採用現場を見てきた編集部の視点から、仕事内容・必要スキル・転職活動の進め方まで、採用側が本音で語る情報をお届けします。「企画事務に転職したい」と考えているなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
企画事務とはどんな仕事なのか
企画事務という名称は、実は会社によって業務範囲がかなり異なります。「企画」と「事務」が合体しているだけあって、幅が広い職種です。まずはここを整理しておかないと、転職活動で求人を見ても「自分に合うのか」の判断がつきません。
大まかに言えば、企画事務とは「企画部門・事業部門のバックオフィスを担いながら、企画立案や資料作成にも関わる職種」です。純粋な一般事務よりも企画サポートの比重が高く、完全な企画職よりも実務・調整業務が多め、というイメージを持っておくとよいでしょう。
企画事務が担う主な業務
求人票や実務で見られる企画事務の業務は、おおむね次のようなカテゴリーに分かれます。
- 企画書・提案資料の作成補助(PowerPointやExcelを使ったデータ整理・資料化)
- 市場調査・競合リサーチの補助(アンケート集計、データ入力、分析サポート)
- イベント・キャンペーンの運営事務(スケジュール管理、外部業者との調整、費用精算)
- 営業企画・販促企画のサポート(顧客データ管理、報告書作成)
- 社内外の会議設定・議事録作成・関係部署との連絡調整
共通しているのは「企画チームが動きやすいよう、情報と業務を整える役割」である点です。資料作成やデータ整理などの事務スキルに加え、企画の流れを理解して先読みする力が求められます。「ただこなすだけの事務ではなく、仕事に意味を見出したい」と感じている方にとっては、やりがいを感じやすいポジションだと言えます。
「一般事務」「企画職」との違いはどこか
よくある誤解として、「企画事務=企画職と同じ仕事」と思い込むケースがあります。実際は、企画の意思決定・立案の中心を担うのは企画職であり、企画事務はそのサポート・実務推進が主役です。
一般事務と比べると、定型作業の割合が少なく、プロジェクトや施策に関わる非定型業務が多いのが特徴です。「毎日同じルーティンでは物足りない」「でも一から企画を考えるほどの経験はまだない」という方にとって、企画事務は理想的なミドルゾーンです。
企画事務への転職で求められるスキルと経験
「企画事務に転職したいけれど、自分のスキルで応募できるのだろうか」と不安に思う方も多いはずです。採用現場を経験してきた立場からはっきりお伝えすると、事務経験・PCスキルがあれば未経験から挑戦できる求人は確実に存在します。ただし、「どんな企画事務を目指すか」によって必要なスキルは変わります。
共通して求められるベーススキル
職種・業界を問わず、企画事務の求人のほとんどで共通して記載されているスキル要件があります。
- Word・Excel・PowerPointの基本操作(データ集計、グラフ作成、資料作成ができるレベル)
- 文書作成・議事録作成のスキル(読み手に伝わる文章を素早く書ける力)
- スケジュール管理・調整力(複数の案件を並行して管理できること)
- コミュニケーション能力(社内外の関係者との連絡調整・報告・相談)
特にExcelは、ピボットテーブルやVLOOKUP程度が扱えると「できる人材」として評価されやすい傾向があります。データを整える力は、企画チームにとって非常に重宝されるスキルです。
転職をより有利にするプラスアルファのスキル
基本スキルに加えて、以下のいずれかを持っていると選考での評価が上がりやすくなります。
- マーケティング・販促の基礎知識(現職での営業同行・販促補助の経験があればアピール可能)
- プロジェクト管理ツールの経験( NotionやAsana、Backlogなど。使ったことがあるだけでも差別化になる)
- 数値分析・レポート作成の経験(GA4やTableauなどの使用歴があれば強い)
- 業界専門知識(希望業界での勤務経験・知識。IT、消費財、製造業など)
採用担当者として面接してきた経験から言うと、「なんとなく企画に関わりたい」という志望動機の方は書類選考で落ちやすいです。「現職でこういう業務を担い、こういうデータ・資料を扱ってきた。その経験を企画事務で活かしたい」という具体的なストーリーを持てる人が内定を取っています。
企画事務の転職難易度|未経験でも入れる?
「企画」とつくだけで、ハードルが高そうに感じる方も少なくありません。でも実際のところ、企画事務は企画職の中では比較的間口が広いポジションです。
企画職への転職は経験者だけではなく、未経験でも営業や広告、マーケティング、その他の現場経験を十分に積んでいることが評価されて採用となるケースも多々あります。 ただし注意が必要なのは、事業のブレーンとしての役割を果たすので、社会人経験や業界・現場経験が重要視されるため、職種未経験で社会人経験が浅く業界も未経験の場合、人気の高い企画職を目指すのは容易ではないという点です。
企画事務に当てはめると、「完全に職種・業種ともに未経験」の場合はやや難易度が上がります。一方、現職で何らかの事務経験・調整業務・資料作成経験がある場合は、未経験転職としての難易度は比較的低めと見てよいでしょう。
年代別の難易度の目安
転職難易度は年代によっても変わります。編集部が求人動向を分析した結果、以下のような傾向が見えています。
- 20代前半(第二新卒含む):ポテンシャル採用が多く、事務経験が浅くても通過しやすい。意欲・学習姿勢が重要。
- 20代後半〜30代前半:即戦力性を問われる傾向があるが、現職の事務・調整・資料作成の経験を具体化できれば十分勝負できる。
- 30代後半以降:専門性や業界知識が問われやすく、「この人なら企画チームの生産性を上げてくれる」という説得力が求められる。管理経験があると有利。
採用担当として感じてきたのは、「この職種に合う人かどうか」よりも「この会社・業界の企画事務として機能するか」を面接官は見ているということです。企業・業界へのフィット感を面接でしっかり伝えることが、年代を問わず通過率を上げる鍵です。
企画事務の種類|業界・職場ごとの違いを知っておこう
企画事務と一口に言っても、どの業界・部門に属するかによって日々の業務はかなり変わります。転職活動を始める前に「どんな企画事務を目指すか」を絞ることが、効率的な活動への近道です。
主な企画事務の種類と特徴
代表的な企画事務のポジションをまとめると、次のような分類になります。それぞれ求められる経験やスキルの傾向が異なります。
- 営業企画事務:営業部門のサポート。売上データの集計・分析、営業資料の作成、販促キャンペーンの運営補助が中心。営業経験者からの転職でフィットしやすい。
- 商品企画事務:商品開発チームのサポート。市場調査補助、競合分析、仕様書・企画書の作成補助。消費財・製造・IT業界に多い。
- 経営企画事務:経営企画部のサポート。予算管理補助、社内レポート作成、経営会議の準備・議事録管理。精度の高い数値管理力が必要。
- イベント・広報企画事務:イベント運営や広報施策の事務サポート。スケジュール調整、外部業者との折衝、SNS運用補助などが多い。エンタメ・メディア・NPO等に多い。
これらのうち、未経験転職で最も間口が広いのは「営業企画事務」と「イベント・広報企画事務」です。一方、経営企画事務は数値の正確さが命で、ミスが許されない業務が多いため、経理・財務・事務経験者が優遇される傾向があります。
企画事務への転職活動の進め方
「転職活動を始めよう」と思い立っても、何から手をつければよいかわからないという声はよく聞きます。ここでは採用側の視点も踏まえながら、企画事務への転職活動をどう進めるべきかをお伝えします。
ステップ1 自分の経験を「企画事務の言葉」で整理する
最初にすべきことは、職務経歴書の作成ではなく「自分の経験の棚卸し」です。現職での業務を「企画事務の文脈で使えるエピソード」に変換できるかが鍵になります。
たとえば「電話対応・データ入力をしていた」ではなく、「月次の販売実績データを集計し、部内レポートとして取りまとめていた(件数・期間・使用ツール)」のように具体化できると、面接官の印象が大きく変わります。採用担当として何百枚も職務経歴書を見てきた経験から言えば、「何をしたか」よりも「何のためにどう動いたか」が書かれた職務経歴書は圧倒的に通過率が高いです。
ステップ2 求人の見方を変える
企画事務の求人は、「企画事務」という職種名だけで検索しても全部は出てきません。「企画アシスタント」「企画サポート」「マーケティング事務」「営業企画アシスタント」なども実質的に同じ業務を指していることが多いです。複数の検索ワードを組み合わせて求人を探すようにしましょう。
企画・経営職の転職・求人情報は、マイナビ転職など主要転職サイトに多数掲載されており、未経験者から経験者まで幅広い募集が見られます。 求人サイトの詳細条件で業種・勤務地・年収をしっかり絞りながら探すことで、自分の条件に合う企画事務求人を効率的に見つけられます。
ステップ3 企画事務に強い転職エージェントを活用する
「転職エージェントに登録すると、個人情報が流れたり売り込みが激しかったりするのでは」と心配する方も多いはずです。ただ、企画事務への転職においては、エージェントの活用は非常に有効です。理由は2つあります。
1つ目は、求人サイトに出ない非公開求人を多数保有しているから。企画事務の求人は、実は人気が高く、公開前に内定が決まることも珍しくありません。2つ目は、企画職への転職では社会人経験や業界・現場経験が重要視されるため、自分の経験をどう整理・アピールするかのアドバイスをもらえる点です。職務経歴書の添削・面接対策まで無料で受けられるのがエージェントの強みです。
特に20代〜30代前半であれば、第二新卒・若手特化型のエージェントを1〜2社利用することを強くすすめます。担当者と相性が合わない場合は変更を依頼できるので、最初の登録へのハードルを下げて考えてよいでしょう。
企画事務の志望動機・面接対策|採用担当が見ているポイント
「志望動機の書き方がわからない」「面接で何を話せばいいか」という悩みは、企画事務への転職活動で最も多い相談です。ここでは採用担当の目線から、通過率が高い志望動機・面接対策をお伝えします。
志望動機で押さえるべき3つの軸
企画事務の志望動機には、次の3つの軸を必ず盛り込むことをおすすめします。
- なぜ「事務」から「企画事務」にステップアップしたいのか(動機の根拠を現職経験に紐づける)
- なぜその会社・業界の企画事務なのか(「どこでもいい」と思われないための業界・企業研究のアピール)
- 入社後にどう貢献できるか(抽象的な「頑張ります」ではなく、具体的な行動イメージを示す)
人事として数多くの面接に同席してきた経験から言うと、3つ目の「貢献イメージ」が弱い候補者が非常に多い印象です。「御社の企画部門を支えたいです」では記憶に残りません。「月次レポートの作成を現職で担ってきたので、データの正確な集計・可視化で企画チームの意思決定を支えられると考えています」のように、具体的な業務レベルで落とし込む意識が大切です。
面接でよく聞かれる質問と答え方の方向性
企画事務の面接では、業務適性を見る質問と、組織へのフィット感を見る質問が混在します。よく出る質問として、以下のものを準備しておくと安心です。
- 「現職で企画に関わった経験はありますか?」→ 小さな提案・改善でも構わない。「〇〇を改善するために資料をまとめ、上司に提案した」などで十分。
- 「Excel・PowerPointのスキルを教えてください」→ 使用頻度・用途・習熟度を具体的に。「週3回、30名分の売上データを集計してグラフ化していた」など。
- 「複数の業務が重なったときどう対処しますか?」→ 優先順位の付け方と、周囲への相談・報告のプロセスを答える。
- 「5年後どんなキャリアを描いていますか?」→ 「企画職にステップアップしたい」と答えると企画事務としての定着を不安視されることも。「まず企画事務として企画の流れを学び、貢献の幅を広げたい」という表現のほうが好印象。
特に最後の「キャリアビジョン」は、採用担当者が内心気にしているポイントです。「企画事務はステップアップのための踏み台」という印象を与えすぎると、すぐ辞めるリスクを懸念されます。成長意欲と定着意向のバランスを意識した答え方を心がけましょう。
企画事務の年収相場と待遇
転職するうえで年収は外せない確認事項です。「企画事務は事務職だから給与が低い?」と思っていませんか。実際は職種・業界・経験によってかなり幅があります。
求人票の情報をもとにした編集部の調査では、企画事務の年収帯はおおむね次のようなイメージです。
- 未経験・20代前半:月給22〜26万円程度(年収270〜350万円前後)
- 事務経験あり・20代後半:月給25〜32万円程度(年収350〜450万円前後)
- 専門性高め・30代以降:月給30万円〜(年収450〜600万円以上も)
業界によっても年収水準は異なり、IT・コンサル・商社系の企画事務は相対的に高く、NPO・行政関連は低め傾向です。 企画職は成果が見えるまでに時間が掛かることがあり、社内で評価される機会が頻繁にない環境になりやすいため、入社後にどう昇給・昇格できるかをキャリアパスの観点で確認しておくことをおすすめします。
なお、企画・経営職は未経験者から経験者まで幅広く募集があり、基本的なパソコンの操作スキルが必須であることが多いです。入社時点のスキルレベルと業界によって初年度年収が変わるため、複数の求人を比較する際は月給・みなし残業・賞与の合算で考えることが重要です。
企画事務に向いている人・向いていない人
「自分は企画事務に向いているのか」、気になりますよね。採用担当として多くの方を選考してきた経験から、企画事務で長く活躍している人と、入社後に「思っていたのと違う」とすぐ辞めてしまう人の傾向をお伝えします。
企画事務に向いている人の特徴
次のような特徴を持つ方は、企画事務で活躍しやすい傾向があります。
- 「なぜこの仕事をするのか」という目的を理解して動きたい人
- 数字や資料を整理することが得意で、正確さへのこだわりがある人
- 複数の担当者・部署と同時並行で連絡調整ができる人
- 「仕事に全力で取り組むが、成果が出るまでじっくり待てる」タイプの人
- 新しいツールやワークフローを積極的に覚えようとする人
入社後にギャップを感じやすい人の傾向
一方、以下のような方は事前に認識しておきたいポイントがあります。
- 「自分の企画で商品を動かしたい」という強い意欲がある人(企画事務はあくまでサポート寄り)
- 即座に結果・評価を求める人( 企画職の仕事の特徴として、成果が見えるまでに時間が掛かることがある)
- 単純作業の繰り返しが好きで変化が嫌いな人(企画事務は非定型業務が多い)
企画事務は「縁の下の力持ち」として企画チームを支えることが本質的な価値です。自分のアイデアを前面に出すよりも、チームの意思決定を支える動き方が好きかどうかを、転職前に自問しておくことが大切です。
企画事務への転職でよくある失敗パターンと対策
転職活動中に「こんなはずじゃなかった」と感じる失敗には、ある程度の共通パターンがあります。事前に知っておくことで回避できます。
失敗パターン1 業務範囲の確認不足
「企画事務」という求人名で応募したのに、実際は「ほぼ一般事務」だったというケースは少なくありません。入社後のギャップを防ぐために、面接・選考中に「企画への関与度合い」を必ず確認しましょう。「資料作成への関与はどのくらいですか」「企画会議には参加しますか」といった質問は、企業側も「業務をしっかり理解している候補者だ」とポジティブに受け取ります。
失敗パターン2 年収の「みなし残業」を見落とす
企画事務の求人でありがちなのが、月給に「みなし残業代(固定残業代)」が含まれているケースです。「月給28万円」と書かれていても、そのうち5〜6万円が固定残業代の場合、基本給は22〜23万円になります。オファーをもらった時点で、みなし残業の時間数・超過時の扱いを必ず確認しましょう。
失敗パターン3 なんとなく複数社に応募して疲弊する
「とりあえず受けてみよう」で多数応募すると、書類・面接対策が追いつかなくなり、どの会社も中途半端になります。希望する企画事務の種類(営業企画・商品企画・経営企画など)と優先したい条件(業界・年収・働き方)を先に整理してから、絞り込んで応募するほうが最終的な内定率は上がります。
次のアクションへ|転職エージェントの活用で進める
企画事務への転職を本格的に動かすなら、まず転職エージェントへの登録から始めることをすすめます。自分の経験が企画事務でどう評価されるかは、求人票だけでは判断できません。キャリアアドバイザーに話すことで「自分の市場価値」が初めて具体的に見えてきます。
特に20代〜30代前半の方には、若手・第二新卒に強い転職エージェントを活用することが効果的です。初回面談は無料で、相談だけでも十分な情報が得られます。「今すぐ転職するかどうか決めていない」という段階での登録でもまったく問題ありません。

まとめ|企画事務への転職を成功させるために
企画事務は「事務スキルを活かしながら、企画・プロジェクトにも関わりたい」という方にとって、現実的かつ魅力的なキャリアの選択肢です。採用担当として何年も現場を見てきた立場から言えば、ポテンシャルや意欲を正確に伝えられた候補者が内定を取っています。自分の経験を企画事務の言葉に翻訳し、戦略的に動くことが大切です。
- 企画事務は「企画チームのサポート+実務推進」が主役。一般事務より非定型業務が多く、企画職よりもサポート寄りのポジション。
- 必要なのはExcel・Word・PowerPointの基本操作+スケジュール管理・調整力。現職の事務経験を「企画事務の言葉」に変換できるかが転職成功の鍵。
- 未経験転職は20代なら比較的ハードルが低め。ただし「社会人経験・業界経験ゼロ」の状態は難易度が上がるため、現職での経験を具体的にアピールすることが重要。
- 志望動機には「なぜ企画事務か」「なぜこの会社・業界か」「入社後の貢献イメージ」の3軸を盛り込む。
- 転職エージェントを1〜2社活用し、自分の市場価値の確認と非公開求人へのアクセスを同時に行うのが最も効率的な進め方。

