新卒の就活で企業に応募する際、ESや履歴書に書く志望動機にどのような内容を書けば良いのかわからないという方が多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな大学生の方に向けて、説得力のある良い志望動機の書き方やコツを、例文と併せてご紹介します。
この記事を読み終える頃には、良い志望動機の書き方が具体的にイメージできるようになり、ESや履歴書に志望動機を迷わず書けるようになっていることでしょう。
履歴書・ESの志望動機で、採用担当者が注視するポイント
採用担当者が志望動機で注視するポイントは以下の通りです。
- 「なぜ」自社に魅力を感じたのか
- 働く熱意が十分にあるか
- 自社の求める人物像にマッチしているか
詳しく解説していきます。
「なぜ」自社に魅力を感じたのか
採用担当者は「なぜ」自社に魅力を感じたのか理由を知りたいと考えています。「なぜ」自社でなければならないのか理由を知ることで、就活生の就活の軸(譲れない自分の価値観)が見えてくるからです。
就活の軸がわかれば、就活生の価値観と企業理念や社風(譲れない企業の価値観)が合致するかも見えてきます。就活生と企業の価値観がマッチすれば、企業が欲しい人材である可能性が高いため、知りたいと考えているのです。
働く熱意が十分にあるか
企業は長期的に活躍してくれそうな人材を採用したいと考えています。企業の目的は利益を上げることなので、採用や雇用にかけたコスト(時間や広告費、給料)を回収したいと考えています。
加えて、長期的に活躍してくれそうかを測る指標として、働く熱意の高さを見ているのです。なぜなら、働く熱意の高さに比例して主体性や行動量も大きくなるため、結果的に成長度合いも高まり、自社で活躍してくれる人材になるイメージがつきやすいからです。
また、より熱意の高い就活生の方が、多少の問題や困難が起きても粘り強く取り組みます。早期離職によってかけたコスト(採用活動にかけた時間やお金)が水の泡になるリスクを軽減できます。
自社の求める人物像にマッチしているか
自社の求める人物像にマッチしているかを見ています。なぜなら、会社の理念や社風と合わない価値観を持っていたり、性格だったりすると入社後のミスマッチによる早期離職に繋がるからです。
また、企業はより良い成果(利益)を出したり、事業拡大にともない不足した人材を補ったりするために採用活動を行うので、活躍が期待できない人材を雇用しようとは思わないからです。
たとえば、カードゲームでより強い手札を作りたいと思っているとします。手持ちのカード(上司や先輩社員)に対してどんなカード(就活生)をかけ合わせれば、より強い手札(より成果が出せるチーム)にできるか吟味しますよね。
新卒の就活における良い志望動機の作り方
良い志望動機を作るための手順は次の通りです。
- ステップ1.「どこに魅力を感じたのか」、結論を最初に伝える
- ステップ2.「魅力を感じたのはなぜか」、自身の価値観と根拠を交えて述べる
- ステップ3.入社への意気込み、将来的に実現したいことを書き、全体をまとめる
詳しく解説していきます。
ステップ1.「どこに魅力を感じたのか」、結論を最初に伝える
まず初めに「どこに魅力を感じたのか」について結論を最初に伝えましょう。企業のどこに魅力を感じたのか伝えることで、数ある企業の中で志望企業に就職したい理由を明確に伝えられるからです。
また、結論を最初に伝えることで聞く側の聞く体制を整えることができるだけでなく、話す側は結論を補う内容を伝えるだけで良いため、良いことづくめです。
結論と補足を伝え、文章に説得力を持たせる手法として「PREP法」がおすすめです。詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
ステップ2.「魅力を感じたのはなぜか」、自身の価値観と根拠を交えて述べる
次に「魅力を感じたのはなぜか」、自身の価値観を交えて伝えましょう。譲れない自分の価値観(就活の軸)と「志望企業に魅力を感じたのはなぜなのか」が交わるポイントを伝えることで、自分ならではの根拠(説得力)がある志望動機や熱意を伝えられます。
譲れない自分の価値観の見つけ方については、以下の記事を併せて読むと理解が深まるのでおすすめです。
ステップ3.入社への意気込み、将来的に実現したいことを書き、全体をまとめる
ステップ1.2.を踏まえた上で、文字数や時間に余裕があれば入社への意気込みや、将来的に実現したいことを書いて、まとめましょう。
企業は自社で長期的に活躍してくれる人材を求めています。自分が入社直後の目標や数年後に実現したいことと、志望企業へ貢献できることがリンクする内容を挙げましょう。長期的に自社へ貢献してくれそうな印象を、採用担当者へ与えられます。
採用担当者の目をひく志望動機の書き方のコツ
採用担当者の目を引く志望動機を書くコツは以下の通りです。
- コツ1.内容は具体的に記述する
- コツ2.自分について深掘りをして差別化する
- コツ3.企業の普遍的なコアの部分を押さえる
詳しく解説していきます。
コツ1.内容は具体的に記述する
内容を具体的に記述することで熱意が伝わりやすくなります。志望企業でなければならない理由を書く際、しっかり企業研究をしておかないと具体的な内容は書けないからです。また、自分の考えを織り交ぜることで、あなただけの志望動機が書けます。
たとえば、「弊社の〇〇という企業理念に共感したため志望しました」と伝えるよりも、「弊社の〇〇という企業理念の△△というところが、自分の✕✕という価値観と合致したため志望しました」と伝えたほうが説得力が増します。
コツ2.自分について深掘りをして差別化する
自己分析を行って深堀りすることで、就活の軸(譲れない自分の価値観)が明確になります。就活の軸を基準に選んだ志望企業であれば、自然にあなただけにしか書けない唯一無二の志望動機となり、他学生との差別化を図れるからです。
コツ3.企業の普遍的なコアの部分を押さえる
企業の普遍的なコアの部分(企業理念や社風)を押さえることで、志望企業でなければならない志望理由が作れます。なぜなら、企業理念や社風は企業の根幹となる土台であり、志望企業ならではの特徴や個性を表しているからです。
志望動機を書く時の注意点
志望動機を書く際の注意点は次の通りです。
- 手書きと印刷はどちらでも良い
- 記入欄を8割以上は埋める
- 「御社」ではなく「貴社」と書く
- こそあど言葉は使わない
詳しく解説していきます。
手書きとパソコン作成はどちらでも良い
ESや履歴書を書く際、基本的には手書きとパソコン作成のどちらでも大丈夫です。選考の評価に対して形式よりも内容が重視されるからです。
また、どちらにしようか迷う方は基本的にパソコン作成の方が現実的です。パソコン作成なら部分的な差し替えにより、効率よく書類を作成したり、誰にでも読みやすい文字を書いたりできるからです。
手書きは、文字をきれいに書ける人限定で志望度の高い企業に対して、自分の人柄や熱意を筆記によって伝えたい場合に用いれば、周りと差別化できます。
記入欄を8割以上は埋める
記入欄を8割以上は埋めましょう。文字数が少ないと志望度や熱意が低いと受け取られかねないからです。例えば、自分の好きなことや興味のあることなら、いくらでも話せますが、好きではなく興味が無いことは詳しくもないのでたいして話せませんよね。
書類では「御社」ではなく「貴社」と書く
書類に「御社」ではなく「貴社」と書くのが、社会人のマナーとして企業の共通認識になっているからです。「御社」は話し言葉で、「貴社」は書き言葉です。面接の時は「御社」を使います。
それぐらい良いのではと思うかも知れませんが、企業で働く上で会社のルールを守ったり社会人としてマナーやモラル(倫理)を守ったりできる人なのかを見られます。些細なことで評価を落とさないように注意しましょう。
こそあど言葉は使わない
こそあど言葉とは「これ、それ、あれ、どれ」のように、名詞の代わりに物事を指し示す際に用いる語句のことです。「こそあど言葉」を使うと文章が抽象的になり、分かりづらくなるため使用は控えましょう。
志望動機の良い例文
■国土交通省の志望動機
きっかけは、本年7月の業務説明会です。富山県高岡市で生まれた私は「北陸新幹線開業」により沿線の活性化を肌で感じます。
この沿線の活性化をはじめ、多くの人の「移動」が「感動」に変わる瞬間があるのは、国土交通省鉄道局の職員の方々の安全管理にあるのだと肌で感じました。
私も入省後、整備新幹線開業プロジェクトや「日本の鉄道の安全性、正確性、快適性」を維持していきたいと考え、志望いたします。
まとめ
この記事では、説得力のある良い志望動機の書き方と例文について、採用担当者が注視するポイントや書く際の注意点をご紹介しました。
まずは一つずつ試してみて、効果を実感できたコツだけ継続していけば、内容をより良くしていけるかと思います。
良い志望動機が書けるようになれば、書類選考の通過率が上がっていくことでしょう。