「今の職場、このままでいいのかな」と感じながらも、未経験で事務職に転職できるのか不安で一歩踏み出せずにいませんか。サービス業や販売職、製造業など、異なる業界で働いてきた20代の方が事務職へのキャリアチェンジを考えるとき、「経験ゼロでも受け入れてもらえるのか」という不安は当然です。
でも、実際には20代という年齢は事務職へのキャリアチェンジにとって大きな武器になります。ポテンシャル採用が活発な今、未経験でも可能性は十分にあります。
この記事では、20代が未経験から事務職にキャリアチェンジするための具体的なステップ、アピールポイントの作り方、年齢別の注意点、転職活動で役立つ資格まで、実践的な情報をまとめてお伝えします。
20代の未経験事務転職|なぜ今がチャンスなのか
転職を検討している20代の方にとって、まず知っておきたいのが「市場がどう動いているか」という事実です。
パーソルキャリアが発表したdodaのデータによると、職種未経験者からの応募を歓迎する「職種未経験可」の求人数は2019年から2023年の間に大幅に増加しており、未経験職種へ挑戦できる間口は着実に広がっています。 同データでは、2023年度に未経験職種へ転職した20代のうち年収アップを実現した割合や平均決定年収の上昇についても報告されており、市場環境が後押しする時代になっているといえます。
採用側の動向も見逃せません。 マイナビの「中途採用状況調査2025年版」によると、2025年の中途採用に積極的な企業は90.2%と前年に続き9割を超えており、前年と比較して未経験者も積極的に採用する動きもみられます。
20代前半と後半では事情が変わる
同じ「20代」でも、前半と後半では転職市場での見られ方が異なります。この違いをあらかじめ知っておくことで、戦略を立てやすくなります。
20代前半は、スキルや経験よりもポテンシャル採用をされる可能性が高く、比較的転職しやすい年齢です。企業側としても、長期的に働いてくれる人材を求めているため、未経験者でも採用したいと考える企業が多いのも特徴です。
一方、20代後半の場合は、新卒で入社し一定の職種で3年以上経験を積んでいる人が多いこともあり、未経験者よりも経験者が採用されやすい傾向があります。そのため、20代後半かつ未経験で人気の高い事務職への転職を希望するのであれば、若手のポテンシャルに勝る経験やスキルをアピールできるかどうかが重要です。
つまり、20代後半の方であっても「前職でどんなことを学び、それが事務の仕事にどう活きるか」を明確に語れれば、十分にチャンスはあります。
未経験から事務職にキャリアチェンジできる理由
「事務未経験でも本当に採用されるの?」という疑問は当然です。ここでは、未経験でも採用につながりやすい背景と、企業が20代の転職者に何を求めているかを整理します。
企業が20代に求めるのはポテンシャルと柔軟性
企業が20代の未経験者に期待するのは、即戦力としてのスキルではありません。 20代でキャリアチェンジ転職に成功した人が評価された主な要素は「柔軟性」と「熱意」です。新しい環境にもすぐになじんで未知の知識をどんどん吸収できる柔軟性と、仕事に対して真摯に取り組んで成長したいという熱意に、企業側は大いに魅力を感じます。
また、特に就職してから数年間の社会人経験がある第二新卒は、年齢も若く基本的なビジネスマナーが備わっているため、成長性や柔軟性があり、企業からのニーズも高い傾向があります。 接客や販売など、一見「関係ない」と思われる前職の経験でも、コミュニケーション能力や丁寧な対応力として評価されることは十分にあります。
前職のスキルは意外と武器になる
業種が違っても、これまでの経験で培ったスキルは事務職でも十分に活かせます。 社会人として身につけたビジネスマナーやコミュニケーション能力、OAスキルなどは、たとえ実務経験が少なくても誇れる強みになります。
たとえば、販売・接客職であれば「電話対応の経験」「クレームをやわらかく処理する力」、製造・物流であれば「正確な記録入力」「時間管理の習慣」など、事務作業と重なる場面は多くあります。転職の書類作成や面接では、こうした点を具体的に言語化することが大切です。
キャリアチェンジで事務職を目指すステップ
いざ事務職への転職を決意しても、「何から始めればいいか分からない」という方が多いものです。以下のステップを参考に、計画的に動き出しましょう。
ステップ1|転職の目的と事務職に興味を持った理由を明確にする
転職活動を始める前に、まず自分の「なぜ」を整理することが重要です。 キャリアチェンジを考える際、目的を明確にすることが成功の鍵となります。単に「転職したい」ではなく、「なぜ転職したいのか」「新しい環境で何を成し遂げたいのか」を具体化することで、自分に合った求人を選びやすくなります。
「残業が少ない職場で長く働きたい」「スキルを積み重ねてキャリアを形成したい」など、理由は人それぞれで構いません。ただし、面接では必ず転職理由と志望動機を聞かれますので、あいまいなままにしておくと準備が後手に回ります。
ステップ2|希望する事務職の種類をしぼり込む
一口に「事務職」といっても、仕事内容は多様です。 企業によって業務内容は異なり、求める人物像も違います。未経験者であっても、企業が求める人物像に近ければ採用されることがあります。
主な事務職の種類として、以下のようなものがあります。
- 一般事務(データ入力、書類作成、ファイリング、電話・来客対応など)
- 営業事務(見積書・請求書作成、受注管理、営業担当のサポートなど)
- 医療事務(受付・会計、レセプト業務など)
- 経理補助(仕訳入力、請求書管理、経費精算のサポートなど)
- 人事・労務補助(勤怠管理、書類整理、採用補助など)
得意なこと・興味のある業界・働きたい環境から、どのタイプが自分に向いているかを考えてみましょう。
ステップ3|事務職に役立つ資格を取得する
未経験からの転職では、スキルの「証明」が重要です。 事務職への転職を目指す場合にはPCスキルは必須となりますので、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」や「日商PC検定」「文書管理士検定」などを取得しておくとスキルの証明に役立ちます。
資格は転職活動中に並行して勉強することも可能です。まずは受験費用が比較的低く、合格後すぐにアピールできるMOSから始めてみるのも一つの方法です。特に「Word・Excelのスペシャリストレベル」は実務でも直結する内容なので、学習しながら即実践で活かせる強みがあります。
ステップ4|応募書類で「前職×事務」のつながりを伝える
未経験からのキャリアチェンジでは、履歴書や職務経歴書が非常に重要なアピールポイントとなります。特に20代の場合、実務経験が浅くても将来性やポテンシャルをアピールすることが可能です。これまでの経験や成果を具体的に記述し、自分ならではの強みを明確に表現することが大切です。
「未経験だから書けることがない」と諦めてしまう前に、前職のどのような業務が事務業務に活きるかを掘り下げてみましょう。書類整理、データ管理、電話・メール対応、スケジュール調整など、職種名は違っても重なる経験は必ずあります。
20代未経験からの事務転職|編集部が整理した「よくある失敗パターン」
Supermemory(mirasus-career)のログも含め、20代の転職相談で繰り返し出てくる課題を編集部でパターン化して整理しました。転職活動で失敗しやすいポイントをあらかじめ把握しておくと、準備のクオリティが格段に上がります。
「事務なら楽そう」というイメージだけで選ぶ
職種のイメージだけで希望してしまうと、自分の適性に合っていなかったり、実際の業務内容がイメージと違ったりといったことが起こります。「こんなはずではなかった」を避けるためには、具体的な業務内容を面接で確認することが重要です。
事務職は「楽な仕事」というイメージを持たれやすいですが、実際には処理件数の多さや細かな正確さが求められる場面も多くあります。就職後のミスマッチを防ぐためにも、求人票だけでなく面接で一日のスケジュールや業務量を確認しておくことを強くおすすめします。
転職理由が「前職への不満」だけになっている
「前の職場が辛かったから」「人間関係に嫌気がさした」という理由だけでは、採用担当者に「またすぐ辞めるのでは」という懸念を持たれやすくなります。 なぜ転職したいのか、新しい環境で何を成し遂げたいのかを具体化することで、自分に合った求人を選びやすくなるだけでなく、面接でも説得力のある説明ができます。
「前職で〇〇を経験し、それを事務職で活かしながら〇〇に挑戦したい」という前向きなストーリーを準備することが大切です。
無期雇用派遣を「正社員への近道」と誤解する
相談ログの傾向として、「無期雇用派遣(常用型派遣)」のオファーを受け、それが正社員と同じだと思って悩んでいる方の声が編集部に届くことがあります。無期雇用派遣は雇用が安定している一方で、派遣会社との雇用契約であり、配属先企業の正社員とは待遇面や就業条件が異なる場合があります。
「まずは経験を積む」という意味では選択肢のひとつですが、正社員として直接雇用されることを目指しているなら、最初から正社員求人に絞って活動することも十分可能です。転職エージェントに相談し、自分の希望と選択肢を整理することをおすすめします。
20代前半・後半別のアピール戦略
転職活動において、年齢によって「何をアピールすべきか」は変わってきます。同じ「未経験」でも、20代前半と後半では採用担当者が期待するものが異なります。
20代前半(22〜25歳前後)|素直さと成長意欲を全面に
20代前半向けの求人は「ポテンシャル採用」と呼ばれ、選考のポイントは現時点の能力よりも「先輩や上司の教えを聞き入れる素直さ」「できるだけ早く業務を習得・成長してくれそうか」が重視されることが多いです。
面接では「わからないことはすぐに確認する姿勢」「フィードバックを素直に受け入れる姿勢」を具体的なエピソードで伝えましょう。「前職でこのように教わったことを吸収してきた」という実例があると、さらに説得力が増します。
20代後半(26〜29歳前後)|前職の経験を「事務への橋渡し」として語る
20代後半の場合は、これまでの経験を活かしつつ、異業種でも即戦力として評価される機会が増えます。専門知識がなくても前職で培ったスキルをアピールできれば、成功しやすい時期といえます。
また、採用する企業も、20代後半の中途採用においては、専門性や知識よりも「仕事の進め方」「コミュニケーションの取り方」「仕事に対するスタンス」といった点を重視して選考します。 前職でどのように業務を組み立て、どう周囲と連携してきたかを整理しておくと、面接で自然に語れるようになります。
事務職のキャリアチェンジで気をつけたいこと
転職を成功させるためだけでなく、入社後に長く働くためにも意識しておきたい注意点があります。
転職回数が増えすぎることへの注意
マイナビの「中途採用状況調査2025年版」によると、中途採用担当者の77.6%が選考時に転職回数を懸念しており、20代の採用において転職回数が「3回以上」の場合に採用を躊躇すると回答した割合は66.4%にのぼっています。
「とにかく事務職に転職できれば」と焦って入社を決めると、再び短期離職につながるリスクがあります。職場環境・業務内容・雇用条件について、転職前にしっかり確認しておくことが重要です。 転職の目的が曖昧だと転職後にミスマッチを感じてしまい、転職を繰り返すことになる可能性があります。
一時的な収入ダウンの可能性を踏まえて動く
キャリアチェンジのデメリットのひとつとして、一時的に収入ダウンする可能性があります。 特に未経験スタートの場合、最初は基本給が低めに設定されることがあります。ただし、スキルを積み重ねることでキャリアアップの道筋も開けてくるため、長期的な視点で収入を捉えることが大切です。
一方で、パーソルキャリアのdodaデータでは未経験職種へのキャリアチェンジ後に年収アップを実現する20代も一定数存在することが報告されています。 焦らず計画的に進めることが、結果としてより良い転職につながります。
転職エージェントを活用すると何が変わるのか
未経験での事務職転職では、一人で求人を探すよりも転職エージェントを活用することで、選択肢と準備の質が大きく変わります。
希望する業界や職種についてリサーチを行うことはキャリアチェンジを成功させるための基本で、転職エージェントの活用も効果的です。エージェントは業界の最新情報を持っており、効率的なリサーチを進める手助けとなります。
具体的には、以下のようなサポートを受けることができます。
- 非公開求人を含む事務職の求人紹介
- 履歴書・職務経歴書の添削と「未経験でも響く書き方」のアドバイス
- 企業ごとの面接対策と傾向の共有
- 内定後の条件交渉(年収・入社日など)のサポート
社会人経験が3年未満のいわゆる第二新卒の方は、「第二新卒」に特化した転職エージェントを選ぶのが安心です。 また、「マイナビジョブ20’s」のように未経験職への転職支援に強く、書類添削や面接練習まで丁寧にサポートしてくれるエージェントもあります。 複数のサービスを比較・併用しながら、自分に合ったサポートを受けることをおすすめします。
どのエージェントを選べばよいかわからないという方には、こちらの比較記事も参考にしてみてください。

まとめ|20代の未経験事務キャリアチェンジは計画的に動けば実現できる
20代が未経験から事務職にキャリアチェンジすることは、市場の変化と年齢の武器を活かせれば十分に実現可能です。大切なのは、焦って動くのではなく、目的・アピールポイント・転職先の条件を整理したうえで一歩を踏み出すことです。
- 「職種未経験可」の求人数は近年大幅に増加しており、未経験から事務職を目指せる環境は整っている
- 20代前半はポテンシャルと素直さ、20代後半は前職スキルと仕事へのスタンスが評価のカギになる
- MOS・日商PC検定など事務関連の資格取得がスキルの証明につながり、書類選考の通過率を高めやすい
- 「事務なら楽そう」「転職理由が不満だけ」「無期雇用派遣を正社員と混同する」はよくある失敗パターンなので注意が必要
- 転職エージェントを活用することで、非公開求人へのアクセスや書類・面接対策を効率よく進められる

