「自分の年収って、同い年と比べてどうなんだろう?」と気になりはじめるのが26歳ごろです。大卒なら社会人4〜5年目に差しかかり、仕事にも慣れてきた一方で、結婚や転職、キャリアの方向性など人生の選択肢が一気に増えてくる時期でもあります。そんな節目だからこそ、自分の年収が相場と比べてどこに位置するのかを客観的に確認しておくことは、今後のキャリア戦略を立てるうえで大きなヒントになります。この記事では、厚生労働省や国税庁などの公的データをもとに、26歳の平均年収を男女別・学歴別・企業規模別・業種別に整理してお伝えします。手取り額の目安や年収アップの方法まで、「自分の現在地」を把握して次のアクションを考えるための参考にしてみてください。
26歳の平均年収はいくら?
26歳の平均年収については、利用するデータソースによって金額に幅があります。
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」では25〜29歳の平均年収が406.9万円となっており、おおむね380万〜410万円前後が相場として妥当な水準とされています。
厚生労働省の2023年(令和5年)賃金構造基本統計調査をもとに算出すると、26歳の平均年収は407.3万円、平均月収は26.2万円とされています。
なお、この数値は「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出されており、短時間労働者(パートタイム労働者)は含まれていません。
一方、マイナビ転職エージェントの調査によると、26歳の正社員の年収中央値は340万円(平均年収は348万円)となっています。中央値とは、データを大きさ順に並べたときにちょうど真ん中にある値のことで、一部の高収入層が平均値を引き上げていても影響を受けにくいという特徴があります。
複数の調査を比較すると、どのデータを参照するかによって数字に差が生じることが分かります。これは調査の対象者(転職登録者か全労働者か)や算出方法の違いによるものです。「26歳の平均年収はおよそ350万〜410万円の幅に収まる」と大まかに把握しておくのが実態に即した見方といえるでしょう。
平均年収と中央値の違いを確認する
26歳の平均年収は407.3万円ですが、年収中央値は353万円とされており(doda調べ)、平均年収より約54万円低い水準となっています。平均年収は一部の高収入者に引き上げられやすい一方、中央値はより多くの人の実態を反映した数値として活用できます。
自分の年収を「高い・低い」と判断する際には、平均値だけでなく中央値も参考にするとより実情に近い評価ができます。
26歳の平均年収を男女別で見ると
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」のデータをもとに整理すると、26歳前後の男女では年収に大きな差が見られ、平均的に60万円ほどの差が生じているとされています。
dodaの調査によると、26歳の男性の年収は395万円、女性は361万円と30万円以上の差があります。
また、マイナビ転職エージェントの調査によると、26歳の男性の平均年収は369万円、26歳の女性の平均年収は323万円となっています。
調査によって数値に差はありますが、いずれのデータでも男性のほうが女性より平均年収が高い傾向が一貫して示されています。この背景には職種の構成比や勤続年数の違い、育児や家庭の事情による離職・休業の有無など、さまざまな要因が複合的に影響していると考えられています。
26歳の平均手取りはいくら?
額面(支給額)と実際に口座に振り込まれる手取りは大きく異なります。
国税庁・日本年金機構・全国健康保険協会の公式情報をもとに試算すると、26歳の平均手取り額は約276万円、手取り月収は約23万円となります。
また別の試算では、26歳の手取り額は、年収ベースで約320万円、月収ベースで約26.7万円がひとつの目安とされています。控除額は居住地や扶養状況で変動するため、あくまで平均的なケースの目安として参考にするとよいでしょう。
一般的に、手取りは額面年収の約75〜80%程度になるとされています。所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料などが天引きされるため、額面の数字を見て生活水準を考える際は手取りベースに換算する習慣をつけておくと安心です。
26歳の平均年収を企業規模別で見ると
勤め先の企業規模は、年収水準に大きく影響します。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、社員数1,000人以上の大企業に勤務している26歳の平均年収は418万円、社員数100〜999人の中堅企業の26歳の平均年収は375万円、社員数10〜99人の中小企業の26歳の平均年収は352万円となっています。
大企業と中小企業では66万円以上の差が生じており、これは大企業は中小企業よりも基本給が高く設定されており、ボーナスの支給率も高いのが一般的であることが背景にあると考えられています。
ただし、企業規模が大きいからといって必ずしも全業種で年収が高いわけではありません。業種や職種によっては中小企業でも高い報酬が得られるケースもあるため、規模だけでなく業界・職種も含めて検討することが大切です。
26歳の平均年収を学歴別で見ると
学歴もまた年収差を生む大きな要因のひとつです。
厚生労働省のデータによると、25〜29歳の賃金は高卒が約22.8万円、専門卒が約24.4万円、高専・短大卒が約24.3万円、大卒が約26.5万円、大学院卒は約28.7万円となっています。高卒と大学院卒で約6万円の賃金差があり、学歴による収入の違いは大きいといえます。賞与などを加味した年収差はさらに大きくなるでしょう。
大卒26歳の平均年収は414.2万円で、26歳全体の平均年収407.3万円を上回っています。大卒者は一般的に総合職として採用されることが多く、将来の管理職候補として位置づけられる傾向があります。
一方で、高卒・専門卒の場合でも実力主義の業界や職種では短期間で年収を大きく伸ばしているケースも多く見られます。学歴はあくまでも入口の条件のひとつであり、その後のスキルや実績によって年収は大きく変わり得ます。
26歳の平均年収を業種・職種別で見ると
業種や職種によっても年収は大きく異なります。
dodaの調査によると、11の職種分類別では「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」が534万円で最も高く、26歳の平均年収(383万円)と比べると151万円の差があります。2番目に高い職種分類は「営業系」で437万円、3番目は「企画/管理系」で432万円でした。また業種分類別では「金融」が437万円で最も高く、次いで「建設/プラント/不動産」が416万円、「IT/通信」が415万円となっています。
厚生労働省のデータによると、25〜29歳で賃金が高いのは電気・ガス・熱供給・水道業と学術研究・専門・技術サービス業(月収28万円)です。一方、宿泊業・飲食サービス業(22.5万円)や複合サービス事業(22.4万円)では賃金が低い傾向にあります。
年収アップを視野に入れた転職を考えるなら、現在の業種と高年収業種の給与水準を比較しておくことが有益です。
地域別にも差が出る
dodaの調査では、エリア別に26歳の平均年収を集計した結果、最も高いエリアは「関東」で399万円、次いで「東海」が382万円、「関西」が371万円でした。また東京都・大阪府・愛知県に絞った場合、最も高いのは東京都の415万円で、愛知県387万円、大阪府376万円となっています。
ただし、東京の年収が高いのは大企業本社が集中しIT・金融などの高付加価値産業が多いためですが、家賃・物価も高いため、手取りベースの可処分所得で見ると地方との差は縮まることがあります。
地域を選ぶ際は、額面の年収だけでなく生活コストも合わせて考えることが大切です。
26歳で年収が低いと感じる場合の原因を考える
平均値と自分の数字を比較して「低い」と感じたとき、その背景にはいくつかの要因が考えられます。
26歳の正規雇用の平均年収は約392万円です。一方、非正規雇用は公的データから推定すると約282万円であり、正規職員の平均年収との差は100万円以上にのぼります。
雇用形態の違いが年収に大きく影響していることがわかります。
また、業種・職種・企業規模の組み合わせによっても差は大きく開きます。「宿泊業・飲食業の中小企業に非正規雇用で勤めている」場合と「金融系大企業に正規雇用で勤めている」場合では、26歳でも年収に100万円以上の差が生じることは珍しくありません。
26歳から年収を上げるための方法
26歳はまだキャリアの入口に近く、この先の選択次第で年収を大きく変えられる可能性があります。代表的な方法を整理します。
転職で市場価値を上げる
厚生労働省の「令和6年上半期雇用動向調査結果の概況」によると、25〜29歳で転職した人の約46%が転職後に賃金が上昇しているとのことです。
26歳はまだ「若手」として扱われる市場のため、ポテンシャルを評価してもらいやすいタイミングです。
転職によって年収が上がるかどうかは、「どの業種・職種・企業規模に移るか」によって大きく異なります。
節税や固定費見直しでは年間10〜30万円程度が改善の上限である一方、職種・業界を見直す転職では年100〜300万円規模の収入増も現実的とされています。
年収を根本的に増やしたいなら、転職は最も効果の大きな選択肢のひとつです。
専門スキルを身につける
高年収の職種・業種に共通しているのは、専門性や希少性の高いスキルを持つ人材が求められているという点です。IT・データサイエンス・コンサルティング・金融などの分野では、資格取得や実務経験の積み上げによって市場価値を高め、年収アップにつながるケースが多く見られます。
昇進・昇格を目指す
転職が難しい状況でも、今の職場での昇進・昇格は年収アップの現実的な手段です。
上司との面談などの機会に昇進を目指す意思を伝え、時期ややるべきことなどの目標を具体的に立てて仕事に向き合うことで、評価も年収も上がりやすくなるとされています。
ただし、評価制度があいまいな職場では目標設定が難しいこともあります。昇給の基準が不透明な場合は、会社の制度を改めて確認し、それでも見通しが立たないようなら転職も視野に入れるのが賢明です。
高年収業種・職種への転職を検討する
26歳は「どの専門性を軸にキャリアを築くか」を明確にすべきタイミングです。20代後半は転職市場でもポテンシャル採用と即戦力採用の境界にあたるため、「何ができるか」を具体的に示せるスキルや実績を積み始めることが重要です。今の年収水準よりも、3〜5年後にどのようなキャリアが描けるかを軸に判断すると、長期的な年収最大化につながります。
転職で年収アップを考えているなら
26歳での転職は、今後のキャリアを大きく変える可能性を秘めています。ただし、闇雲に動くと「年収は変わらなかった」「想定と違う仕事だった」という結果になりかねません。転職エージェントを活用することで、自分の市場価値を客観的に把握し、希望する条件に合った求人にアクセスしやすくなります。
まずは無料で相談できる転職エージェントに登録して、担当アドバイザーと現在地を確認してみることをおすすめします。
まとめ|26歳の平均年収と今後に向けたポイント
- 厚生労働省の統計をもとにした26歳の平均年収は350万〜410万円前後で、参照するデータ・対象者によって幅がある
- 男女別・学歴別・企業規模別・業種別で年収に大きな差があり、大企業と中小企業では66万円以上の開きが生じるとされている
- 手取りは額面の75〜80%程度が目安で、月収ベースでは約21万〜27万円が一般的な範囲
- 26〜29歳で転職した人の約46%が転職後に賃金が上昇しており、26歳はキャリアチェンジのチャンスが大きい時期(厚生労働省「令和6年上半期雇用動向調査」)
- 年収アップを目指すなら、転職・昇進・スキルアップの3つを軸に戦略を立てるのが効果的
自分の年収が平均を下回っていると感じても、それはスタート地点を確認できたということです。26歳はキャリアの方向性を固める絶好のタイミングでもあります。まずは客観的なデータをもとに「今の自分の位置」を確認し、次のステップを考えていきましょう。


